カテーテルの長さに注意
脳動脈瘤や硬膜動静脈瘻や動静脈奇形、腫瘍塞栓などを経験していくとマイクロカテーテルの誘導、そして塞栓中のカテコントロールにはその手前にあるガイディングシステムの安定性が大事であることを思い知ります。
コイルを巻いている際もカテコントロールを行うことで意図した巻き方に近づきますし、カテ先をある程度フリーにすることでコイルからの反発力を感じながら折り畳む事ができるため安全性にも寄与します。
という事で中間カテーテル(Distal Access Catheter)を良く使うようになるのですが、ここに落とし穴があります。
ガイディングカテーテルの太さはこれで、中間カテーテルはこの太さでマイクロカテーテルの太さはこれ、と術前は太さには気をつかいますが、それぞれのカテーテル長にまでは気が回りにくいので例えば以下のような事が起こり得ます。
ガイディングカテーテルにセルリアンDD6(メディキット)というインナーが6Frの太さの中間カテーテルは頻用します(マイクロカテーテルが2本並行に入るから)。そこでさらに遠位血管へ到達するため3.4FrのTacticsカテーテル(テクノクラート)を2段目中間カテーテルとして用います。Tacticsはかなりの遠位までスムーズに進むので非常に強力な武器です。
しかし、DD6は108cm,118cmの2種類、Tacticsは120cm,130cm,150cmの3種類。通常はガイディングからTacticsを持っていくとかなり遠位まで行くために120cmで充分ですが、DD6は太いのでそこまで進まない。DD6が108cmでTacticsが120cmの場合、2cmしか差が無いのでYコネクターを付けると先端からでません(実話)。DD6を短くするか、Tacticsを長いものにするか事前に用意しておく必要があります。
ちなみに上の組み合わせをしてしまった場合はYコネクターの代わりに逆血防止弁にすると少しは先に出てくれます。
中間カテーテルを複数使う場合は特にそれぞれの到達地点に合わせたデバイス長を考えておく。
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