ナビゲーションと3D DSA
脳外科手術の際に動脈や静脈の情報が重要となるような症例では術前に脳血管造影検査を行って3D DSAや3D DSV(別記事で詳細に触れます)を行うことで血管構造を細かく把握することができます。
以前から3D ワークステーションで他のモダリディー(MRIやCTなど)の画像とFusionさせ、ターゲットとする術野をイメージすることができますが、ナビゲーションシステムでも実は条件が整えば画像を取り込んで使用することができます。
これはあくまで個人的に発見したやり方でメーカーで確認したというものでは無いので自己責任で参考にして下さい。
条件
ナビゲーションシステムはMedtronic社のStealth System。
DSA装置はGE社製(おそらくDICOM出力できればOK)
3D DSAの画像をAxialのDICOM形式で出力できること
やり方
術前に行った3D DSAを撮影する。なるべく頭蓋骨が全て入るような範囲で撮ることが望ましい。
出力するデータはSubtractionを行った後の骨がなくなっているもので良くて、これをDICOM形式で出力する。
Stealth Systemを起動してMRIやCTとともにそのDICOMデータをインポートする(CD-RやUSBメモリーなどを使用する)
データをインポート後、stealth mergeという画像の位置合わせを行う。CTを基準としてMRI、そして3D DSAも位置合わせを行う。
なんとここでうっすら残っている骨の形から意外と精度良く位置合わせをしてくれます。
その後ナビのセッティングの確認(使うデバイスなど)を進めていき、データの確認、3Dモデルの作成画面に進む。
重要: モデルの作成で3D DSAの画像データを選び、Thresholdモードで3Dモデルを作るようにする。
おそらくDSA装置や撮影しかたで左右されるがちょうどよい閾値が存在していて当施設では下限500から上限1500ぐらいのCT値で絞り込んでから微調整するとちょうど良いモデルが得られる
他のモダリディーでモデルを作成し、以降は通常のナビゲーション運用と同様です。
上記を行うことで動脈はもちろん静脈も比較的きれいに描出可能でBriding veinなどもきちんとナビゲーション画像上で表示させることができます。
血管内治療に必要な知識がわかりやすく網羅されている。
血管系必須の教科書の一つ。エビデンスや実際使うデバイスについても記載されているのが良い。
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