遠位撓骨動脈アプローチ、動画追加・追記

遠位撓骨動脈の手順動画をYouTubeにアップロードしました

以前の記事で遠位撓骨動脈アプローチについて解説しました。既にYouTubeに遠位撓骨動脈穿刺の動画は複数アップロードされていますが、こういう手技は具体的な例で成功イメージつかめばつかむほど成功しやすくなると思いますので一助になれるように公開しました。

セッティング

最初の頃は色々試行錯誤して親指を少し固定したりなどしていましたが最近の傾向としては腕は体側に自然な肢位でクッションの上に置くだけにしています。

手も親指が上になるように自然な姿勢で通常の撓骨動脈穿刺も外旋させれば出来るようなポジションにしておけば穿刺切り替えのときにも対応できます。

通常の撓骨動脈穿刺部位から解剖学的嗅ぎタバコ入れを含むような範囲を消毒します。

穿刺部位

一概に遠位撓骨動脈部位と言っても結構幅があります。

近位部へ行くと段々深くなっていくので浅い位置で触知され、かつ下に骨がある安定している部位を穿刺することが多いです。

局所麻酔

30G針でキシロカインによる局所麻酔を血管周囲に行います。

穿刺予定位置から浅い位置に注入し、血管左右の脇にそれぞれ打ち込むイメージです。
このとき動脈を穿刺してしまわないように、もし穿刺してしまった場合はすぐに圧迫止血して血液による攣縮を防止しましょう。

穿刺

針を寝かせて刺すと皮膚穿刺位置と動脈穿刺位置に距離ができてしまいます。通常の撓骨動脈穿刺の場合はあまり問題にならないのですが、遠位撓骨動脈穿刺の場合は近位に行くと血管の可動範囲が増える事が多く、触知もしにくくなることがあるので針は40-45度ぐらいに立て気味で穿刺したほうが良いです。

内筒抜去からワイヤー挿入

サーフロー針穿刺で行った場合動脈内腔に内筒が到達すると内筒へ逆血が確認されます。

ここでそのままの角度で更に少し進めることが重要です。具体的にいうと逆血が止まるギリギリぐらいです。

そのままの角度、位置で内筒を抜去すると外筒から逆血があります。
先に進み過ぎて逆血がない場合は少しずつ拍動性に逆血するまで抜いてきます。

シースのガイドワイヤーを外筒内へ挿入します。このとき血管との角度、内径差によって少しの抵抗がある場合はありますがわずかな抵抗であれば問題ないことが多いです。

X線透視でワイヤーが真っ直ぐ撓骨動脈本幹へ進んでいることを確認します。

シース挿入

ガイドワイヤーはそのままで外筒を抜去しシースを挿入します。

シースのダイレーターが皮膚を超えるとことが一番抵抗があるところです。
そこを抜けたらワイヤーが前後に動くことを確認しながらワイヤーに沿ってシースを挿入します。

シースから逆血を確認しヘパリン加生食でフラッシュしヘパリンを経静脈的に投与します。

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