トラッカーのズレ
以前の「磁場式ナビゲーションシステムの注意点」という記事で磁場式ナビゲーションの最大の問題はトラッカーのズレによりナビゲーションの精度が著しく損なわれることを強調していました。
実はその問題を緩和する方法は既に2020年のJournal of Neurosurgeryに投稿されていたのでご紹介したいと思います。
The endonasal patient reference tracker: a novel solution for accurate noninvasive electromagnetic neuronavigation
ウィーン医科大学からの報告です。トラッカーの外側を剥いてメロセル(内筒あり)に入れて鼻腔内へ突っ込んでしまえ、という発想です。
こうすることで皮膚に固定した場合と比べてドレープかけ、皮弁翻転時のズレが軽減されるようです。
白ボックスは鼻内方式、灰色ボックスは皮膚固定方式のズレ。ドレープかけの時点で皮膚は既に実用上厳しいレベルでズレ得ることがわかります。
経鼻手術の場合には使えない方法ですが頭蓋手術においては有用なようです。是非原著を参考にしていただければ。
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